こんにちは!!骨ラボ hinataです(o^―^o)
最近、患者さん達の会話から「眠れない」「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などの声をよく聞きます。
暑さが増し外気と室内の温度差が自律神経を乱す一端になっているのかもしれません(゜-゜)
不眠に関しては様々な原因が考えられますが、その中でも私が話を聞いた方の多くに共通した原因と
患者さんに実際に勧めて効果のあったものを今回は紹介していきたいと思います。👍
不眠の原因とは❔
不眠には原発性と二次性・両方の性質をもつ併存の分類があります。
- 原発性:医学的、精神医学的また環境的な原因がない睡眠障害
- 二次性:身体疾患、精神障害、薬物の使用等によるもの
患者さんの不眠体験
患者さんから実際にお話を聞く中で多く聴こえたのは
「会社での人間関係によるストレスをきっかけに夜間にその出来事を考え続け目がさえて眠れない。」
「育児環境で自身の睡眠リズムが乱れ寝付けない」
「特筆すべき理由はないがなぜか寝付けない」
などの内容が大部分でした(゜-゜)。0(当院においては)皆さんにも思い当たる事があるかも❔
では、実際に患者さんにオススメして不眠が改善された事例を紹介していきたいと思います(=゚ω゚)ノ
睡眠の質の改善が期待出来るもの”3選”
①プロテイン
睡眠に関連したホルモンは大きくは2つに別ける事ができます。
①“就寝中”に分泌されるホルモンです。⇒成長ホルモン・プロラクチン
②”夜間”に分泌されるホルモンです。⇒メラトニン・コルチゾール
今回は②のメラトニンについての解説です。【サーカディアンリズム】に関わります。
成長ホルモン・プロラクチン・コルチゾールに関しては別項で解説します(;・∀・)。0(容量多過ぎるので)
十分な睡眠をとる上で欠かせないのが睡眠ホルモン(メラトニン)です。日中の太陽光の光刺激の影響を受けて生成されるセロトニンから作られます。
このセロトニンを生産する為の材料となるのが必須アミノ酸である【トリプトファン】です。この必須アミノ酸は体内で作られません(´;ω;`)なので食事から摂取する必要があるアミノ酸です。
必須アミノ酸は20種類ほどあり、そのうち体内で生成できないものが9種類あります。
プロテインはこれらの必須アミノ酸を効率よく摂取するには非常に有用な手段となります⭐
厚生労働省は日本人のタンパク質摂取量を世代別に多少の差はありますが体重1㎏に対して約1gを推奨しています。
現代人はタンパク質の摂取量がやや少ない傾向にある事から必須アミノ酸の不足により睡眠ホルモンがうまく生産できずこれが不眠の要因となることがあるようです。(゜-゜)
ちなみに年齢が30代を超えると筋タンパク合成率は年々低下していきますので加齢に伴い要求されるたんぱく質は増加します。(;’∀’)
国立健康・栄養研究所の調べにおいても日本人のタンパク質摂取量は1995年をピークに
出典:https://www.nibiohn.go.jp/eiken/kenkounippon21/eiyouchousa/keinen_henka_eiyou.html
1日あたり81.5gという摂取量でした。 しかし、2016年には1日あたり75.3gと、約8%減少してしまっています。
②GABA(ギャバ)
ガンマアミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略称 ⇒ GABA(ギャバ)
最近、流行りですね。ハイ
ここで前提を確認しておくと医学的には経口摂取したGABAが直接脳に作用するかについては否定的です( ゚Д゚)
説明します。
人間脳に血液が到達するには【血液脳関門】という関所を通過する必要があります。
経口摂取した物がすべて脳に影響を及ぼしてしまうと、それが有害物質であったり病原菌であった場合は危険ですよね?ですから脳に到達する前に関所があるわけです。バリアですね。
体の外から摂取し吸収されたGABAが,血液脳関門を通過し脳内に移行することは殆んどない(部分的に移行できる可能性はある)
出典:https://www.ime.or.jp/daitai/daitai19.html
では上記の前提があるならGABAの経口摂取に意味はないのか?というとそうでもないようです。
メカニズムとしては不明な点もまだありますが下記の論文からもわかる通りGABAが自律神経系に一定の効果があることは示されています。
GAVAの経口摂取は、自律神経系に作用しリラクセーション効果を有する可能性が示唆された。
出典:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/61/3/61_3_129/_article/-char/ja/
以上の事から「人間関係など含めた生活によるストレスをきっかけに夜間にその出来事を考え続け目がさえて眠れない。」などに対してはGABAを試すのは一考の価値はあるかもです。(゜-゜)
③運動
運動後の睡眠の質向上については以前からδ(デルタ)波(睡眠要求や睡眠の深さに関連する脳波)成分の増加などの良い影響が示唆されてきました。しかし、同時に研究の蓄積に伴いそれらの結果とは矛盾した睡眠への悪影響も報告されている。
下記の研究においては二つの指標から対象を評価した時に対象者の主観では睡眠の質が低下しているのに対し客観的には睡眠の質が向上したことが確認されている。
つまり、運動は睡眠の質の向上には優位に働く可能性があるようです。
主観的な睡眠の質は改善しないものの、客観的には、より安定した深い睡眠を誘導することが明らかになりました。また、運動することが、全体的な睡眠時間の短縮と、特に睡眠前半における深睡眠の強化や安定化をもたらすことが確認されました。このことから、運動を行うことにより、質の良い睡眠がとれ、より短時間で効率よく睡眠要求を満たすことができる可能性が示唆されました
出典:https://www.nature.com/articles/s41598-021-83817-6
ちなみに睡眠の直前に運動してしまうと交感神経が刺激され、深部体温も上昇する為に睡眠の妨げになる可能性もあります。
通常、入眠時には副交感神経が優位となり深部体温の低下に伴って眠るので
運動と入眠までの時間間隔はあけたほうが良いかもしれません(゜-゜)
まとめ
いかがでしたか❔
今回は実際に患者さんに勧めてみて効果があったものをエビデンスを踏まえながら解説しました。
あくまで私個人の体験とエビデンス照らし合わせての紹介ですから他にも様々な要因や対策は存在すると思います。
今回触れられなかった話も次回はご紹介できればと思います。🔍🌟
【眠れない】はそれ自体が精神的にも肉体的にも多大な悪影響があることが近年様々な研究で報告されています。当記事が皆様の悩みの一助になれば幸いです。(^_^)
※これらの適用は個人により変動があると思いますので実際に不眠症と診断を受け治療を目的とされる方は専門医・専門機関に相談して下さい。
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