前回【腰痛改善法】あらすじ~腰痛の原因・分類・改善法
今回はより速効性のある実践編となります。
さて、今回はより実践的な課題として【筋筋膜性腰痛症】について取り上げていきます。
これまでお会いした方の急性期の腰痛。いわゆるギックリ腰のほとんどの原因がこれであった為、今回はこの症状について解説していきます(^^)/
記事の要点
- 筋筋膜性腰痛症とは
- 痛みの原因
- 改善方法
筋筋膜性腰痛症とは
筋筋膜性腰痛症は腰の筋肉や筋膜に急激または慢性的に負荷がかかることによって生じる腰痛です。
スポーツで急激な負荷がかかった場合に起こるケースの他に洗顔・荷運び・かがみ姿勢・立ち上がりなど、ごく普通の日常動作でも起こります。
筋実質部の過緊張、筋膜の炎症および血流の低下などがみられ圧痛などが顕著になります。
レントゲン検査・MRIなどの画像診断では異常は認められません。
腰に痛みがあるのに病院で異常がないと診断される場合には多くがこの症状であると考えられます。
(他の腰部疾患を除外するうえで画像診断は有用です)
痛みの原因
- 水分不足
大前提として水分不足は炎症の元です!
定期的にギックリ腰をされる方はまずこの点を振り返ってください。
水分が不足すると血液の粘土が高まり血流が悪くなる。各組織の酸素が足りなくなり老廃物がたまり新陳代謝が悪化します。これにより各種発痛物質が産生され痛みを誘発するようになります。
痛みにより交感神経が刺激され筋肉が緊張し固くなると物理的に血管を圧迫し、より血流がわるくなります。(悪循環ですね) - 筋および筋膜の過緊張
前提として筋筋膜性の疼痛であるとして話を進めさせていただきます。
腰痛の方の多くが治療の際に薬物療法の他に腰部に電極を当てたり、指圧などを受けたりして治療を受けた経験があるかと思います。しかし、同様の方法でしばらく治療を続けても改善があまり見られない場合があります。
そこで注目して頂きたいのは【どの筋肉の緊張によって痛みが生じているのか】という点です。
筋筋膜性疼痛の多くは直接の損傷ではなく、筋肉の過剰な緊張が筋膜を介して周辺組織をひっぱり炎症を引き起こすものが多いです。(癒着した筋との摩擦でも炎症は起きますが)
ですので原因となる筋を標的としなければ効果が薄いのです。
腰部にアプローチを受け改善がみられなかった患者様で多くが
実は肩部・腹部や臀部・大腿部など、主訴の腰部から離れた筋緊張が原因になっていました。
改善方法
1. 水分補給
理由は前述の通りです。当ブログでは水分補給非常ーーーに強く推奨して以下(ry
2. 胸腰筋膜・腹筋群に対する筋膜リリース
今回のメインテーマです。腰痛に対し腰そのものへのアプローチで改善しない場合どうするのか?
以下、解説していきます。
【胸腰筋膜】
画像からわかる通り広背筋は上腕から背中の広い範囲に分布しています。大殿筋もまた骨盤の広い範囲に分布していおり、これら2つの筋は胸腰筋膜で合流しています。
広背筋・大殿筋を緩めることで胸腰筋膜にかかるテンションを下げることができ痛みを軽減できることがあります。
アプローチ
1.ボールストレッチ
ボールの上で寝転ぶようにすると当てやすいかと思います。やりすぎには注意し心地良い程度で行ってください。
2.キャット&ドック体操
私も患者様に良く紹介させていただいている方法で
肩甲骨・脊椎・骨盤の連動した関節の動きを作り可動域を広げ血流を改善してくれます。
※ワンポイントアドバイス 脇腹に当たる肩甲胸郭関節の動きを意識すと良いです👍
【腹部筋群】
次に腹側の筋に対するお話です。
腹筋というと多くの方が想像するのはシックスパック(腹直筋)のようなものだと思います。しかし、実際には腹部には上の画像(内・外腹斜筋は抜けてますが)にあるように多くの筋が存在しています。
腹部を覆う内腹斜筋や腹横筋(通称※コルセット筋)という筋肉と、脊柱起立筋は筋膜によって繋がっています。
また↓の画像にある前鋸筋も腹斜筋と筋膜を介して繋がっています。
これらの筋の緊張が過度なものであると筋膜や筋鞘で炎症が起こり痛みになります。
アプローチ
1.キャット&ドック体操
先程、胸腰筋膜のお話の際に紹介いましたが実はこちらでも使えます(笑)
2.徒手による筋膜リリース
徒手によるリリースは腹部・側腹部ともにセルフで行えるのでお勧めです。
イメージとしては皮下の筋を少し押さえながら【皮下と皮膚】【筋と筋】をゆっくり滑らせるようにすると良いかと(゜-゜)
近年マッサージガンなどが流行る中で筋膜リリースという言葉を耳にする事が多いかと思います。
厳密には筋膜をリリースしているというより筋を緩めている感じになりますかね(゜-゜)
もちろん過剰な筋緊張は組織代謝を悪くし炎症を引き起こすのでマッサージガンなどで筋を緩めることは良いと思います。しかしながら病態に合わせて用いる必要があり、過剰な刺激にならないように注意する必要があります。👍
まとめ
適切な部位へのアプローチが必要であり、またアプローチが適切であるかはその経過に応じ常にフィードバックする必要がある( ゚Д゚)
水分・電解質補給はもとより自ら大きく関節を使うことで筋肉を緩め血液循環を良くし組織代謝を上げることが重要であるということです👍
以上、ご高覧頂きありがとうございました😊
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